製品に関する苦情・相談事例

茶香炉(アロマポット)にカップ型ロウソクを入れて使用していたら、下の敷物が焦げた。

家庭用品平成18年度

ネットオークションで購入した4個の茶香炉のうち2個を、玄関下駄箱の上(マット敷き:カーテンを代用)(写真1)と2階居間の木製の机の上(写真2)に1個ずつ置いて、各3回、使用した。1回目は付属のロウソク、2・3回目は以前購入した100円ショップのロウソク(燃焼時間:3~4時間のもの)を使用。その後、掃除をするために茶香炉を移動させた際に、設置場所が焦げていることに気づいた。安全上問題がないか調べて欲しい。
(写真1) (写真2)

苦情相談品の調査結果

販売元に確認したところ、苦情相談品(以下、相談品)は2~3年前に製造中止。製造者は現在、廃業。販売個数は約55,000個、販売元で把握している苦情は本相談1件のみとのこと。この製品には茶香炉本体の他に敷物等が付属し、外箱には、ロウソクは火の弱い物を使用、ロウソクの火が受け皿に直接当たらないように等の注意書きがありました。

テスト対象

相談品および、販売元より提供された同型品(以下、ポットA)、参考品としていずれも100円ショップで購入したポット4種(写真3)、ロウソク3種(写真4)を使用。
(写真3)
右手前がポットA、その他が参考品
(写真4)

テスト結果

相談品の外観観察(写真5)
ふたの内側のススの付着状態および、外側に見られる通気孔・上皿部分の燃焼跡から、芯が傾くなど何らかの要因でロウソクの炎が大きくなり、異常燃焼に移行したものと推測されました。
(写真5)

なお異常燃焼には、熱で溶けた液体のロウの温度が何らかの要因で異常に上昇することにより一気に気化し、本来、芯の先端でのみ燃えている炎がロウの液面全体に炎が広がる(固形燃料のように全体が燃える状態)液面燃焼などがあります。

実証テスト1【再現】

ポットAについて、ロウソク3種を用いて15回再現試験を行いました。いずれの試験でも液面燃焼することはなく、4~9時間後に自然に火は消えました。また、試験後のポット内側およびカップ型ロウソクにはススの付着もなく、設置場所の木板が焦げることもありませんでした。自然に火が消える時間は、同種のロウソクでも燃え方(炎の大きさ等)やカップ底面の凸凹具合(写真6)などが異なるため、バラツキがありました。
(写真6)
アルミカップから取り出したロウの底面右側はくぼみが大きく、カップのサイズは同じでもロウの量が少ないことがわかる

実証テスト2【模擬】

ポットAについて、下記の方法により液面燃焼を8回起こし、炎の状況、ススの付着状態、設置場所の焦げなどについて確認してみました。
その結果、ふたの内側のススの付着状態、外側に見られる通気孔・上皿部分の燃焼跡および設置場所の焦げなど、相談品と同様の状態が確認できました。

[液面燃焼を起こす方法]
液面燃焼は大きくなった炎により液化したロウが温められ起こることから、芯を2本にしたり傾けたりして、炎の輻射によるロウの昇温を極端に高めて起こしました。(動画1)

(動画1)液面燃焼の様子

実証テスト3【比較】

相談者宅では2箇所に置いた茶香炉の下が両方とも焦げていたことから、茶香炉本体よりも使用したカップ型ロウソクや使用環境などに問題があったのではないかと推定し、参考品ポット4種で、ポットAと同様の模擬試験を行いました。
その結果、ポットAの場合は液面燃焼中の炎がポット本体からはみ出すことはなく(動画2)、参考品4種に比べ、安全であると考えられました。ただし、付属品に可燃性の敷物等があり、燃え移る危険性はありました。

(動画2)ポットAの液面燃焼の様子

今回のテスト結果から、再現性の低いまれな現象とはいえ、条件によってはカップ型ロウソクで液面燃焼が発生することが分かりました。ロウソクの火が自然に消えた後にポット本体やカップ型ロウソクにススの付着(写真7)などがあれば、液面燃焼が起きた危険性が高いと考えられます。
(写真7)
左側は液面燃焼したもの、右側は正常に燃焼したもの

一見、安全そうな茶香炉(アロマポット)でも、火を使う以上、火災の危険は伴います。茶香炉(アロマポット)使用時は、上下、左右、前後に燃えやすい物がないことを確かめて設置してください。その場所を離れる時や就寝時にはロウソクを確実に消すなど、目の届く範囲で使用し、取り扱いには充分、注意しましょう。