多重債務の解決方法:利息の再計算:A債務が残った場合

多重債務とは

複数の業者からお金を借りることをいい、多重債務に陥った人を多重債務者といいます。

利息の再計算とは、

今まで返済してきた利息のうち、利息制限法の上限を超える額は元本を返済したものとみなして、借金残金を計算し直すこと。
これをすることで借金残額が圧縮されます。特に、高額な利息を長期間に渡り払い続けていたような場合は、大幅な圧縮効果が期待できます。場合によっては、残金が0円になったり、払い過ぎ(過払い)になっていることもあります。
例えば、
年利29.2%で50万円を借金して月々2万円ずつ2年間返済した場合、残金は約248,000円。これを年利18%で計算し直すと、残金は約141,000円。
利息の再計算をすることによって、残金を約107,000円減らすことができます。

「利息の再計算」の手順

1.取引履歴を手にいれる

  • 取引履歴とは、取引(借入と返済)の記録のことで、年月日順に金額、金利、利息が表示されているものです。
  • 契約者本人が取引のあるローンやサラ金業者に連絡をして、それぞれの事業者から取引履歴を取寄せます。
  • 入手した取引履歴の内容を自分の資料(契約書・振込書など)と照合して、不審な点や疑問点は事業者に問い合わせましょう。

2.パソコンに利息の再計算ソフトを用意する

  • 表計算ソフト(Excelなど)を利用して自分で作成したり、インターネット上(利息計算ソフトを入手できるウエブサイトの例 ::名古屋消費者信用問題研究会 http://www.kabarai.net/)や市販書籍等から既製の利息の再計算ソフトを入手しましょう。

    *当センターのくらしの情報プラザで、ソフト付書籍を貸し出しできます。

3.取引履歴の内容を入力して再計算を行う

  • 業者ごとに、借入・返済の年月日や金額を入力して再計算をします。
  • 入力データが大量の場合、間違いのないよう根気よく入力しましょう。
  • 業者ごとに計算した債務(残元金)の数字が、
    プラスの金額の場合…借金が残っています。→「A.債務が残った場合」
    マイナスの金額の場合…過払いになっています。→「B.過払いになった場合」

A. 債務が残った場合

簡単自己診断

返済原資と必要返済額を比較して、適した債務整理の方法を見つけましょう

返済原資とは、毎月の収入のうち借金返済にあてることができる金額のこと。

必要返済額とは、月々返済をしなければならない額のこと。再計算をした結果をもとに、次のように算出します。
必要返済額=再計算した債務の合計÷36回
※利息の再計算により出た業者ごとの債務(残元金)を合計した額を3年間(36回)に分割して支払うと仮定して、月々に必要な返済額を出します。この際、今後は利息が付かないものとして計算します。

(a)
a
(b)
b
返済原資必要返済額以上ある。 返済原資必要返済額より少ないが3万円以上は確保できる。 返済原資が3万円より少ない。
収入より支出の方が多い。
特定調停 任意整理 個人再生手続 自己破産

(a)の場合

おおよそ3年(36回)で返済できれば、特定調停任意整理が可能です。
どちらにするか、次の比較表を参考にしてください。

  任意整理 特定調停(名古屋簡裁の場合)
難易度 個別交渉になるのでやや難しい 自分でできる
交渉する人 通常は弁護士・司法書士に依頼する 調停委員
請求が止まる時期 弁護士・司法書士の受任通知到着日 裁判所の申立通知到着日
(自分で申立を連絡しても可)
返済期間 原則、3年(毎月36回)以内
通う回数 任意 最少で3回(申立日を含む)
過払いが発生した時の処理 受任した弁護士が引き続き行う 債務不存在確認まで。取り戻す場合は、自分で返還訴訟・一般調停をするか、弁護士に依頼する
費用
(目安)
弁済分 着手金:業者数 ×(定額)
成功報酬:減額分 ×(一定の比率)
@500円×業者数+郵便切手
過払分 成功報酬:取戻額 ×(一定の比率) ————
利用条件 特になし 特定債務者(支払不能に陥るおそれのある債務者等)で、毎月の収入から返済原資が確保できる人

(b)の場合

毎月の収入から返済必要額が確保できなければ、個人再生手続自己破産を選ぶことになります。どちらも個人で手続きするのはやや難しいので、弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。弁護士や司法書士が受任したら、事業者からの催促は止まります。

<債務整理の影響>

債務整理による返済は通常の返済とは異なり、借入当初の契約を守らなかったとみなされます。従って、債務整理をすると、その後5~10年の間、新たな借入ができなくなります。