クリーニングでコートにボタン跡と汚れが付いてきた

更新日:2015年12月8日

クリーニング

平成25年度

相談内容

トレンチコートをクリーニングに出したところ、ボタンのプレス跡がついて戻ってきた。また、白い汚れも所々に付いている。クリーニング業者に苦情を言ったが、説明内容に納得がいかないので調査してほしい。

テスト結果

現況

相談品は、女性用のトレンチコート(写真1)で、左右のボタン穴の部分に下からのボタンの圧痕が見られました(写真2)。また、右肩(写真3)、袖口(写真4)が白く変色しているのが確認できました。

調査

① UV光源照射試験
洗剤に含まれる蛍光増白剤の影響かどうかを調査するため、蛍光増白剤に反応する特殊な光を照射してみました。ボタンの圧痕部、汚れの部分ともに反応することはなく、洗剤が残っているものではないことが分かりました。

② 顕微鏡検査
白く変色している部分について、顕微鏡で150倍~200倍に拡大して観察しました。右肩の部分(写真5)については、白い付着物が確認できました。また、袖口の部分(写真6)は正常部に比べ糸が毛羽立ち、一部に繊維の損傷も認められたため、摩耗による変色と推定されました。



③ 付着物の調査
顕微鏡で確認された肩の部分の付着物をブラシで抽出調査したところ、色々な成分の汚れが混ざっていました。

結果

①ポケット部のボタンの圧痕
洗濯の仕上げの工程において付いたものと推定されました。
 
② 肩部分の白い付着物
色々な成分の汚れが付着していることが分かりましたが、汚れの付いた時期について特定することはできませんでした。

③ 袖口の白変
 着用による経年劣化で、繊維が傷んだものと推定されました。

アドバイス

水溶性の汚れは、ドライクリーニング後に一部残存する可能性があります。クリーニング業者も、これらのことを丁寧に説明することが必要ですが、仕上がり直後に双方でよく確認しましょう。

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