綿製ズボンの染み抜きをしたら色が抜けた・・

更新日:2015年12月8日

クリーニング

平成25年度

相談内容

半年ほど前に購入した綿のズボンをクリーニングに出し、しみがとれていなかったため、しみ抜きを依頼したところ、しみは取れずに色が抜けた。クリーニング業者の「許容範囲」との見解に納得がいかないので、調査してほしい。

テスト結果

現況

相談品はイタリア製カーゴパンツ(写真1)で、洗濯に関する外国語の注意札と日本語の注意札が縫い付けられていました。
洗濯表示は、ドライクリーニング又は30℃以下の手洗いとされていました。

イタリア製カーゴパンツ(写真1)

調査

① クリーニング店への聞き取り調査
クリーニング店へ聞き取り調査を行ったところ、洗濯の注意札のとおり(ドライクリーニング又は30℃以下の手洗い)で洗濯し、しみ抜きはウォーターガンによる放水処置とのことでした。

② 目視検査
輸入業者から新品を借用し、退色状況の確認をしました。
目視で観測したところでも、全体的に色の差異が確認できました(写真2)。

③ 測定器による色差検査
分光測色計とよばれる色を数値化できる計器で、新品と相談品の差を数か所で測定し、色差とよばれている数値を測定しました。これをJIS規格の等級へあてはめると2級又は2-3級であり、色落ちの耐性が強い製品とはいえないことが分かりました。

目視検査(写真2)、計測器による色差検査(写真3)

④ 簡易色落ち試験
相談品にアルコールと水に浸した2種類の白い布を2時間密着させて、色落ちが起こるか確認しましたが、どちらにも色が移ることはなく、色落ちは起こりませんでした。

結果

検査の結果、クリーニングによって若干の退色があることが分かりましたが、繊維製品においては、洗濯の指定に従って注意して取り扱っても、ある程度の退色は避けることができません。

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