クリーニングに出した紳士用ズボンに穴が開いていた・・・！

相談者から、膝の近くに穴が開いたズボンが持ち込まれました。穴は８×４ｃｍほどの大きなもので、肉眼でも容易に確認ができるものでした。

損傷部分について、顕微鏡で拡大して調査したところ、繊維の先端部は分繊化することなく破断しており、摩耗ではなく引き裂かれてできたものと推定されました。また、薬品などの影響を調査するため、破損部と正常部の部分について成分分析を蛍光X線顕微鏡を使用して行いましたが、両部に差異は認められませんでした。

調査の結果、破損した原因は虫食いや摩耗ではなく、引き裂きなどが原因と推定されました。しかし、それがクリーニングの過程で起こったのか、受取後に起こったものかを特定することはできませんでした。
クリーニングを利用する場合は、店頭で衣服の預け時と受取り時に、両者で損傷がないことを確認することが重要です。