クリーニングに出した背広に孔が開いていた。原因を調べてほしい。

更新日:2020年12月8日

クリーニング

平成19年度

相談内容

4ヶ月程前に背広をクリーニングに出した。先日着ようとしたら、背中部分に3~4箇所の孔が開いていた。店に問い合わせたら「虫食い」と言われたが、アイロンの当て方のミスではないか。背広は数年前に購入し、クローゼットで保管している。

テスト結果

テストの結果

双眼実体顕微鏡で正常部(写真1)と孔の開いた部分を検鏡しました。相談品は黒い糸と白い糸の織物で、孔の開いている部分は、糸が切断されていました(写真2)。また、孔が開いていない部分でも糸の損傷が見られました。
(写真1) (写真2)
(写真1)
正常部分
(写真2)
孔の開いた部分
糸が切断されている


さらに、生物顕微鏡で孔の開いた部分の糸の先端を検鏡しました。黒い糸(写真3)、白い糸(写真4)ともに材質はウールで、どちらにも昆虫類による食害特有の匙(さじ)状の食害痕が認められました。

(写真3) (写真4)
(写真3)
黒い糸の食害痕
(写真4)
白い糸の食害痕

クリーニング店での保管が1週間と短いため、背広の孔はアイロンミスではなく、家庭での保管中に食害が起こったと思われます。
クリーニングに出す前後には必ずチェックして、注意して保管する必要があります。

食害対策
  • ・衣類の害虫は、化学繊維でも汚れている部分を食害する場合があるので、汚れを取って収納する
  • ・害虫は屋内で産卵・生育するので、防虫剤等と一緒に密封して食害を予防する

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