革のジャケットの染み抜きを依頼したら、他の部分に不具合が出た。
更新日:2018年12月20日
クリーニング
平成29年度
相談内容
革のジャケットの右袖に鞄の色移りがしたため、染み抜きを依頼したら、右袖口に色が付着した。やり直してもらうと、前身頃の中央あたりが黒ずんでいた。
テスト結果
現況
相談品の前身頃の中央部付近は、やや暗色を呈していました。中央のファスナー及び左右のポケットのファスナーの周辺の革に灰色の部分が認められました。
調査
1 相談品各場所の測色試験
染み抜きによる色彩の変化を分光測色計という機器で調べました。
相談品の①~⑨の各箇所の色に大きな差はなかったことから、変色や退色は認められませんでした。
2 ファスナー周囲の汚れの検討
ファスナーおよびその周囲の汚れをX線分析顕微鏡で、検査しました。ファスナー周囲の汚れからは、亜鉛が検出され、ファスナー本体からは、チタン、ニッケル、銅、亜鉛が検出されました。
染み抜きによる色彩の変化を分光測色計という機器で調べました。
相談品の①~⑨の各箇所の色に大きな差はなかったことから、変色や退色は認められませんでした。
2 ファスナー周囲の汚れの検討
ファスナーおよびその周囲の汚れをX線分析顕微鏡で、検査しました。ファスナー周囲の汚れからは、亜鉛が検出され、ファスナー本体からは、チタン、ニッケル、銅、亜鉛が検出されました。
結果
ファスナー周囲の汚れは、革の鞣し材の中に含まれる硫黄(イオウ)と亜鉛や銅などの金属が化合して灰色の汚れになったものと推定されました。