鉄鍋から茶色の物質が発生する・・・
更新日:2019年9月25日
家庭用品
平成30年度
相談内容
鉄鍋の黒い塗膜が部分的に剥がれてきたため、金属タワシでこすったところ金属光沢の面が現れた。しばらく使用していたところ、布巾に茶色の物質が付着してくることに気が付いた。この鍋で調理したものを食べてしまい、健康に問題があるのではないか心配なため、調査してほしい。
テスト結果
現況
相談者から、表面から茶色の物質が発生するという小型の鉄鍋と、発生した物質をぬぐい取ったという ガーゼが持ち込まれました。
調査
1 表面の拡大検査
塗膜の剥がれた鍋の底部分を顕微鏡で拡大してみたところ、砂型の鋳型表面と思われる凹凸の状態がリアルに観測され、その表面には茶褐色の付着物が確認できました。
2 成分の分析検査
塗膜が剥がれた部分に生成された赤褐色の物質を採種し、その成分を調査したところ、酸化鉄であることが分かりました。
塗膜が剥がれたため、むき出しとなった鉄の表面が錆びて、酸化鉄が生成されたと思われます。
成分を分析する装置
塗膜の剥がれた鍋の底部分を顕微鏡で拡大してみたところ、砂型の鋳型表面と思われる凹凸の状態がリアルに観測され、その表面には茶褐色の付着物が確認できました。
2 成分の分析検査
塗膜が剥がれた部分に生成された赤褐色の物質を採種し、その成分を調査したところ、酸化鉄であることが分かりました。
塗膜が剥がれたため、むき出しとなった鉄の表面が錆びて、酸化鉄が生成されたと思われます。
成分を分析する装置
結果
相談者が塗膜を金属タワシで剥離したため、鉄の表面が空気中に露出して錆が発生したものと分かりました。昔から調理器具には鉄器が使用されており、酸化鉄が日常的に体内に入っていると考えられ、特に毒性 も指摘されていないことから、相談者が心配するような健康被害は起こらないと思われます。
ハッピーからのアドバイス
- 市販されている金属調理器具には、防錆塗装、不働態コート、テフロン加工、アルマイト加工などの手法で防錆加工が施されています。
従って、焦げ付きなどをとるため、金属たわしなどで強くこすったりすると、これらの防錆加工被膜が剥離して表面酸化の原因となるので注意が必要です。