除菌効果をうたった次亜塩素酸水製造スプレーを購入したが、性能に疑問を感じている。商品に問題がないか調べてほしい。
更新日:2023年3月9日
その他
令和3年度
相談内容
製品本体の専用ボトル(スプレー容器)に水道水を入れて通電するだけで「99%以上の細菌・ウィルスを除去できる除菌水」が生成できるという商品を購入したが、信頼できる除去性能なのか心配になった。調べてほしい。
テスト結果
現況・目視確認
相談品の動作確認を行った。水道水を入れて本体を電源ユニットにセットし5分間通電、電極から小さな気泡が発生することを確認した。生成された除菌水のpHと残留塩素濃度を測定、原水(水道水)より残留塩素濃度が増加していることを確認した。
調査・試験(テスト)
除菌効果は、国民生活センターに依頼することとした。JIS B8701次亜塩素酸水製造装置の規格に従い、残留塩素濃度を測定した上で大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する除菌効果を調べた。
〈対照(ブランク):滅菌水 試料:相談品で生成した除菌液および原水である水道水〉
試験(テスト)結果
2種類の細菌に対する殺菌効果(JIS L1902抗菌性試験方法及び抗菌効果」付属書による抗菌性能3以上の場合強い殺菌効果があるとされる数値)は 平均5.7であった。
残留塩素は原水である水道水に比べて5~6倍に上昇していた。ただし、通電生成後、12時間以上放置した除菌水の遊離残留塩素は低下する傾向があった。
論評
食品製造の現場でよく使用されている次亜塩素酸水は、除菌・消臭力に優れていますが、紫外線に弱く簡単に劣化する性質があります。(独)製品評価技術基盤機構(NITE)において行った物品に対する新型コロナウイルス除去効果の確認実験では、一定の条件下では有効性が確認されましたが、ボトルに入れて販売されている全ての商品の有効性が確認されたわけではありません。有効な「次亜塩素酸水」の含有濃度は以下の通りです。
・流水でかけ流し: 有効塩素濃度 35ppm 以上
・拭き掃除: 有効塩素濃度 80ppm 以上
ハッピーからのアドバイス
- 市販品の安全性は根拠が不明なものも多く、有人の空間噴霧や人体への直接噴霧は危険です。購入する際は、成分・使用方法・場所・希釈率等、広告や表示をよく確認しましょう。
また、除菌効果は遊離残留塩素とpHに依存します。経時変化(劣化)に注意しましょう!