クリーニングで波打ったスプリングコート

更新日:2015年3月14日

クリーニング

平成25年度

相談内容

4年前に購入したスプリングコートの表地が、3回目のクリーニングで波打ってしまった。

テスト結果

現況

(1)相談品
見た目では、縫い目部分の表地が縫い目に沿って波打っていました。
タグには、表地は「ナイロン」に「ゴアテックス」の裏打ち、裏地は「ポリエステル」と記載されていました。
前面と背面

(2)クリーニング方法
クリーニング店では石油系ドライクリーニングを行い、アイロンを使わず、蒸気で仕上げていました。

検査

(1)検査方法
波打った部分の縫製構造と材料を特定するため、マイクロスコープ(実体顕微鏡)と、赤外線を使った分析機器で調べました。

(2)検査結果
  • ①「ナイロン」に「ゴアテックス」を裏打ちした表地の縫製部分には、「ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)」製の止水テープが張り付けてありました。
  • ②裏地はタグの記載どおりの「ポリエステル」でした。
表地(表面)・ナイロン(35倍率)と表地(裏面)の縫製部分(35倍率)

原因

波打った部分は、「ナイロン」「ゴアテックス」「PTFE製の止水テープ」という、性質の異なる材料を張り合わせた構造であり、クリーニングの洗浄・乾燥・仕上げ工程での加熱・冷却に伴う膨張・収縮により波打ったと考えられます。

トラブルを防ぐために
クリーニングのトラブルは、衣類の構造・クリーニング方法・消費者の着用の仕方や保管方法など、複合的に関わって起こることもあり、原因や責任が特定しにくくなっています。
衣類を購入するときには、表示を確認し洗濯や保管のことも考えて選びましょう。

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