女性用パンツスーツが、2回しかクリーニングに出していないのに毛羽立ってきた。

更新日:2015年3月16日

クリーニング

平成16年度

相談内容

2年程前に買った黒っぽいパンツスーツ。1度目のクリーニングで全体的に白い毛が出ていたが、まだ着用できた。そのまま着て、2度目に出したら毛羽立ち、糸も出てきて着られないくらいになった。〔組成 毛 55% レーヨン43% ポリウレタン2%〕

テスト結果

テストの結果

足元の左右、ポケット上部の擦れる所に毛羽立ちが多く見られましたが、背面からも細い糸が出ていました。
(服の図1)
パンツの部分
(服の図2)
上着 背面
(服の図3)
上着 前面


顕微鏡等で拡大観察すると、レーヨンと毛の交織織物で、たて糸がレーヨンと推定され、黒色で表に出る形状をし、よこ糸は茶色で毛と推定されました(写真5)。毛羽立ちしたところや糸のとびだしたところを顕微鏡で拡大観察すると、緩んでループ状になったたて糸(写真6 左ポケット上部)、とび出したたて糸(写真7)、とびだした糸(写真8)、とび出して切れた糸(写真9)などが認められました。

これらの試験をはじめその他のテストも行い、クリーニング店およびメーカーにも問い合わせ、素材、生地の織り方や構造、クリーニングの方法、この相談品の利用法なども検討しました。メーカーより、相談品と同じ生地を使ったジャケット製品に同様の事例が複数件あったとのことで、返品返金に応じてもらうことが出来ました。
(写真1)
服の図1 ①の部分の毛羽立ち
(写真2)
服の図2 ④の部分の毛羽立ち
(写真3)
服の図3 ⑥の部分の毛羽立ち
(写真4)
服の図3 ⑧の部分の毛羽立ち
(写真5)
服の図1 パンツの部分の正常部。
交織織物である。(双眼実体顕微鏡)
(写真6)
服の図3 ⑥の部分、上着左ポケット上部の
とび出してループ状になった糸。
(双眼実体顕微鏡)
(写真7)
服の図1 パンツ②の部分の毛羽立ち、
とび出した糸。
(双眼実体顕微鏡)
(写真8)
服の図2 上着背面④の毛羽立ち。
(双眼実体顕微鏡)
(写真9)
服の図3 上着左ポケット上部⑥の部分、
とび出して切れた糸。(双眼実体顕微鏡)

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