ホーロー製やかんの内側の劣化に気付かず使用していた。成分について調べて欲しい。

更新日:2015年3月16日

家庭用品

平成18年度

相談内容

ホーロー製やかんの内側が錆びてボロボロになっていた。今まで気付かず、お湯を沸かすのに使っていた。
長い間、このやかんで沸かしたお湯を飲んでいたが大丈夫か。調べて欲しい。

テスト結果

テストの結果

やかん内側の付着物を削り取ってみたところ、青色のホーローの素地が現れ、ホーローの剥離はほとんど発生していないことが確認できました(写真1、2)。本体の内側表面と同じ材質でできたやかんの蓋(写真3)が、きれいな状態であることから、本体の細かなひびは、空焚きによってできたものだと推測されます。
(写真1)やかん内側の底
付着物を削り取る前
(写真2)やかん内側の底
付着物を削り取った後
(写真3)
やかんの蓋の内側

顕微鏡で観察した結果、今回の現象は劣化ではなく、水の中のミネラル分が結晶化したもの(蒸発残留物)が付着・蓄積したことが原因だと考えられます(写真4)。茶色の錆びた部分は、ホーロー表面のガラス質に細かなひびが入り、素地の鋼板が侵食されて錆びていました。(写真5)。
(写真4)
削り取った付着物(蒸発残留物)
(写真5)
白い線は表面のガラス質に入ったひび

水道水の中にはカルシウムやマグネシウムなどが含まれ、水分が蒸発する時にやかんや鍋の表面にはミネラル分が残ります。このミネラル分は空気に触れると結晶化して、水に溶けにくくなります。湯を沸かした後に残りの湯を捨てるのみでは、蒸発残留物が蓄積してしまいます。蒸発残留物は人体には害はありませんが、こまめに内部を洗い、清潔な状態を保ちたいものです。

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