成年後見制度
更新日:2021年2月18日
認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、財産管理などの法律行為を自分で行うことが困難な場合があります。また悪質商法などによる消費者被害に遭う危険性が高くなります。このような方々を保護・支援するために、本人の権利を守る援助者を選んで、本人を法律的に支援するのが成年後見制度です。
成年後見制度には、判断能力が衰えた本人を支援する法定後見制度と、自分の判断能力が衰えたときのために事前に備える任意後見制度があります。
法定後見制度
本人の判断能力に応じて、後見・保佐・補助に区分されます。法定後見制度を利用するには、本人の住所地の家庭裁判所に、後見開始の審判等を申し立てる必要があります。
成年後見人等は裁判所が認めれば誰でもなれますが、配偶者や子などの親族の他、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家が選出される場合が多いようです。
本人の判断能力の状態 | 援助者 | 保護・支援内容 | 制限されない行為 | ||
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必ず与えられる権限 | 申立により与えられる権限 | ||||
後見 | 全くない | 成年後見人 | ・財産管理についての全般的な代理権、取消権 | 日用品の購入その他日常生活に関する行為 | |
保佐 | 特に不十分 | 保佐人 | ・民法13条1項所定の行為(※)についての同意権と同意がない場合の行為への取消権 | ・民法13条1項所定の行為(※)以外の事項についての同意権と取消権 ・特定の法律行為についての代理権 |
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補助 | 不十分 | 補助人 | ・民法13条1項所定の行為(※)の一部についての同意権と取消権 ・特定の法律行為についての代理権 |
※民法13条1項所定の行為
借金、保証人、不動産や財産の得喪、訴訟、相続の承認・放棄、新築・改築・増築など、9項目が定められています。
任意後見制度
本人に十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ代理人(任意後見人)を選びます。その任意後見人と自分の生活や財産管理に関して代理権を与える契約(任意後見契約)を、公正証書によって結んでおくものです。
判断能力が衰えたら、家庭裁判所の手続きの後、効力が生じます。