特定継続的役務提供(エステ、美容医療、家庭教師、学習塾などの長期にわたるサービス)
更新日:2023年10月1日
長期間にわたって継続的にサービス(役務)を受ける契約は、実際に受けてみないと、十分な効果があるかどうか、自分にあっているかどうかの判断が難しいものです。長期間、継続するサービスのうち、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7業種は、特定商取引法(特商法)で特定継続的役務提供と指定され、販売方法や理由を問わず、クーリング・オフや中途解約ができます。
特定継続的役務提供の対象
特定商取引法では、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7業種で、契約金額が5万円を超え、契約期間が2ヶ月を超えるもの(エステティック・美容医療は1ヶ月を超えるもの)を特定継続的役務提供として指定しています。
エステティック | 人の皮膚を清潔にし、もしくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(いわゆる美容医療に該当するものを除く) |
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美容医療 | 人の皮膚を清潔にし、もしくは美化し、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療を行うこと(美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法によるものに限る) |
語学教室 | 語学の教授(入学試験に備えるため又は大学以外の学校における教育の補習のための学力の教授に該当するものを除く) |
家庭教師 | 学校(小学校及び幼稚園を除く)の入学試験に備えるため又は学校教育(大学及び幼稚園を除く)の補習のための学力の教授(いわゆる学習塾以外の場所において提供されるものに限る) |
学習塾 | 入学試験に備えるため又は学校教育の補習のための学校(大学及び幼稚園を除く)の児童、生徒又は学生を対象とした学力の教授 (役務提供事業者の事業所その他の役務提供事業者が当該役務提供のために用意する場所において提供されるものに限る) |
パソコン教室 | 電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授 |
結婚相手紹介サービス | 結婚を希望する者への異性の紹介 |
特定商取引法ガイド 特別商取引法とは 特定継続的役務提供(消費者庁)を参考に作成
特定継続的役務提供のクーリング・オフ
特定継続的役務提供の中途解約
特定継続的役務提供の対象の契約は、未使用の関連商品も含めて、契約期間中であれば理由にかかわらず中途解約をすることができます。
中途解約時のキャンセル料の上限は次のように定められています。
役務提供開始前の解約 | 役務提供開始後の解約 | |
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エステティック | 2万円 | 提供された役務の価格と、2万円又は契約残額の10%のいずれか低い額との合計 |
美容医療 | 2万円 | 提供された役務の価格と、5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額との合計 |
語学教室 | 1万5千円 | 提供された役務の価格と、5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額との合計 |
家庭教師 | 2万円 | 提供された役務の価格と、5万円又は1ヶ月分の授業料相当額のいずれか低い額との合計 |
学習塾 | 1万1千円 | 提供された役務の価格と、2万円又は1ヶ月分の授業料相当額のいずれか低い額との合計 |
パソコン教室 | 1万5千円 | 提供された役務の価格と、5万円又は契約残額の20%のいずれか低い額との合計 |
結婚相手 紹介サービス |
3万円 | 提供された役務の価格と、2万円又は契約残額の20%のいずれか低い額との合計 |
特定継続的役務提供の関連商品
法令で定められた関連商品のうち、特定継続的役務を提供するために必要だと説明されて契約した未使用の商品は、特定継続的役務のクーリング・オフや中途解約に伴い、一緒にクーリング・オフや中途解約ができます。
買うか買わないかは本人が自由に決めることができる状況で勧められ、本人の意思により契約したもの(いわゆる推奨商品)は、クーリング・オフや中途解約はできません。
エステティック | 健康食品、化粧品、石けん(医薬品を除く)、浴用剤、下着類、美顔器、脱毛器など |
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美容医療 | 健康食品、化粧品、マウスピース(歯牙の漂白のために用いられるものに限る。)、歯牙の漂白剤、医薬品及び医薬部外品であって、美容を目的とするもの |
語学教室・家庭教師・学習塾 | 書籍(教材を含む。)、カセットテープ、CD、CD−ROM、DVD、ファックス機器、テレビ電話など |
パソコン教室 | パソコン、ワープロ、パソコンやワープロの付属品、書籍、カセットテープ、CD、CD−ROM、DVDなど |
結婚相手紹介サービス | 真珠、宝石、指輪、アクセサリーなど |
特定継続的役務提供の取り消し
以下のような、誤認を与える勧誘があった場合、契約を取り消すことができます。
(1)事実と違うことを言われ、それを事実だと誤認した場合
(2)わざと事実が告げられず、その事実が存在しないと誤認した場合